【2020年 ママゴン11月号掲載】
ネオホッケーという新しいスポーツで全国3連覇したママ
豊橋市在住 小林 柚衣子さん 26歳
豊橋市で生まれ育ち、夫、3歳長男、1歳次男の4人暮らし。2016年〜18年にネオホッケーで全国3連覇を果たす。豊橋フロアボール協会「石巻フロアボールクラブ」「ピーチフラッパーズ」「愛知チェリーヒルズ」 に所属。
小学5年生の時にネオホッケーと出会う
ネオホッケーを始めた父から、私や妹2人にも「ネオホッケーって面白いよ」 と誘われて興味本位でスタートしたのがきっかけ。ネオホッケーとは、プラスチック製のスティックとボールを使い体育館の中で行うホッケーの一種。6対6で戦い、相手のゴールにボールを入れて得点を競います。ルールも簡単なので、誰でも気軽にできる日本発祥のスポーツです。豊橋市内では、8チームの団体がネオホッケーの活動をしています。私は、小学5年生から始めて、中学・高校と部活動をしながら平日の夜や週末など、市内の体育館に行き練習をしていました。
出場することが目標だった全国大会には、中学生の頃から毎年出場。さらに練習を積み重ね、社会人になってからは、全国大会で上位を占めるようになりました。そして、22歳の頃、ネオホッケーをしている主人と結婚し 「全国優勝を目指そう!」 と意気込んでいたところ、妊娠が発覚しました。
全国初優勝!嬉しいけど悔しい
妊娠はとても嬉しかったのですが「ネオホッケーができなくなる」と悩む日々が続きました。私はチームのキャプテンを務めていたので、メンバーに妊娠を伝えて、キャプテンから身を引くことに。これからは主人のサポートに徹しようとも思ったのですが、小学生の頃からネオホッケーを続けていたので、練習に行きたいけど妊婦だから参加できないなど、心の葛藤がありました。
2017年1月に東京で全国大会が開催されました。私は妊娠9ヶ月。大会直前「ベンチに入ってチームのサポートをしたい」とチームや家族に懇願。「妊婦だから東京まで行くことはやめた方がいい」と反対もありましたが、それを振り切って大会会場へ足を運びました。そして、長年の夢でもあった全国大会初優勝! ベンチから見ていてみんなの戦う姿に感動したのと同時に、自分は出ていない歯痒さと悔しさで、複雑な心境になりました。そして 「来年こそは絶対にこの場に立って、優勝を経験したい」 と強く願いました。
半年は子育てに専念 自主練をする毎日
初優勝を飾ったその年の3月に長男を無事出産。初めての子育ては不安ばかりだったので、半年は育児に専念すると決めてチームから離れることになりました。息子が6ヶ月くらいになった時に、練習を再開。最初に感じたのは “今までできていた動きができなくなった” こと。しかし、全国大会にメンバーと出場したいという思いが強く、日中息子と一緒に地区体育館を借り、息子を体育館に寝かせて、私は一人で黙々とシュート練習や、壁打ちのパスなど自主練を重ねる日が続きました。
全国大会は例年通りの1月。練習再開後、実質3ヶ月しかない中での特訓は、本当に大変でしたが、日々の努力の甲斐もあり全国大会2連覇を達成。ゲーム終了後、あまりにも嬉しすぎて号泣してしまいました。
出産してから私の戦うスタイルも変わりました。今までは 「自分が先導を切らなきゃ」 と力が入りすぎてしまう場面があったのですが、出産後は 「周りの力を借りて、自分らしくプレーしたい」 と思うようになり、のびのびとプレーすることができました。そして、翌年の2018年には3連覇をすることができました。
夫婦喧嘩の8割はネオホッケーのこと
主人もネオホッケーをしており、昨年は男子の部で日本一になりました。お互いに同じスポーツをしているので、自然にネオホッケーの会話が多くなります。練習から帰ってきた時に 「ここはこうしたほうがいいよね」 と話し合いをするほど。私はフォワード、主人はキーパー。全く違うポジションなので、違った視点から考えるため、納得する時もあれば、時には言い合いになることも(笑)。
出産すると主人は家事・育児のサポートを沢山してくれて、私も練習に参加することができています。最近は、長男がネオホッケーにハマっていて、 「ママには負けない!」 と意気込み、早く試合に出たいと言っています。次男も生まれたときからスティックがおもちゃになっているくらい、毎日触れ合っているので、数年後は家族みんなでネオホッケーをしたいなと夢みています。
両立できるのは、家族や周りのおかげ
私が所属するチームは、子育ての先輩ママさんがたくさんいます。長男を出産した時は22歳で、周りの友人たちはまだ出産を経験しておらず、孤独になるのでは? と不安でしたが、チームのみんなや家族が子育ての相談やサポートをしてくれたので、リフレッシュにもなり、ネオホッケーをしていて本当によかったなと思いました。
モットーは 「家事は頑張りすぎず、子育てを楽しむこと」 。料理や洗濯などの家事は頑張りすぎず、今しかできない子育てを思いきり楽しむことを大事にしています。子育ては楽しさも大変さもありますが、何か好きなこと、夢中になることを見つけることで、生きがいにもなります。ネオホッケーを通して、家族や周りのみんなと、楽しく笑顔で過ごしたいです。