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【2022年 ママゴン1月号掲載】

無農薬で梅を育てながら自宅をセルフビルドする多才なダンサーママ

田原市在住 髙崎 三沙代さん 38歳

東京・町田市出身、2012年に結婚を機に田原市へ移住。夫、9歳の長女、5歳の長男、義理の両親の6人暮らし。自宅の梅園で育てた梅干しの販売や、自宅セルフビルド、ダンサーとマルチに活動中。

アメリカ留学からIT企業へ就職

 生まれも育ちも東京都・町田市。高校生の時にアメリカのミシガン州へ留学し、慶応義塾大学へ入学、卒業。その後、ソーシャルメディアやアプリに関する事業を行う 「株式会社ガイアックス」 へ就職しました。ここでは、インターネットコミュニティに関する社内事業オーナーとして、子ども同士のネットの書き込みから発生するいじめのトラブル等に関するネットコンサルの事業を展開していました。全国各地の教育関係者の前で講演をしたり、問題が発生した場合は相談窓口を設けたりなど、ネットコミュニティのカルチャーを良いものにするために日々奮闘していました。事業責任者としてチームで結果を出すべく、バリバリ働く生活を送っていました

出産を機に退職、移住。産後うつで辛い時期も

 旅が大好きで、夫と出会ったのも旅先でした。愛知県田原市に住んでいると聞いた時に、全く知らない場所ですごく興味が湧きました。お付き合いがスタートして実際に田原市へ行ってみると、海が近く自然もたくさんあり「良いところだなぁ」とすぐにこの場所が気に入りました。そして、結婚・妊娠。妊娠8ヶ月くらいまで仕事をして、退職、田原市へ移住をしました。

 長女を出産後、里帰りもせず子育てに奮闘。産後、乳腺炎になり39度の熱が何度も出ました。授乳が上手にできない、周りに友人もいない、今までのキャリアと現状のギャップ。良い母親にならないといけないと頭でっかちになり、毎日ふとしたことで泣く日々が続き、産後うつになってしまいました。

無農薬で梅を育て、自宅をセルフビルドする

 当時は「産後うつ」という言葉も知りませんでした。とにかく「生きやすくなりたい」という思いで、2014年頃からNVC(共感的コミュニケーション)勉強したり、「イドバ」という団体を立ち上げ子育て座談会を始めました。「母親である前に一人の人間として自分の気持ちやニーズを大事にすること」を学び、実践していきました。

 40本以上ある梅の木を夫の両親から譲り受け、育て始めたのもその頃です。自然の気持ちよさに心が満たされ、「私の周りにはたくさんの宝物(自然)があるんだ」と感じられるようになりました。

 現在、“今ある自然を基に、あるものを活かす暮らし”を軸に、夫婦ユニット「uecology(ウエコロジー)」として活動をしています。夫は美容師でもあり、セルフビルダー(自分で家を建てる)でもある、造形アーティスト。彼の作品づくりをサポートするとともに、無農薬梅の栽培や商品開発など、好奇心のままに活動しています。

自由なダンスで、自分を肯定できる

 子育ての余裕も出てきて、2年前に再開したのがダンスでした。学生時代にショーダンスをやっていましたが、社会人になってパタリとやめました。しかし、2019年に家族でバリ島に行った際に、振り付けなく自由に踊る「エクスタティックダンス」を体験し、ダンス愛が一気に弾けました。それから新月の日に自由に踊る「フリーダンスフロア」の活動を地元の公民館で始めました。正解のないダンスは、私の中で自分を肯定できる時間。体がリフレッシュして、「明日からまた頑張ろう」と気分もスッキリ!日々の子育ての疲れも吹き飛びます。

感情の背景を知り、夫婦も子育ても楽しく

 私たち夫婦の子育て方針は「自分の気持ちを大事にすること」です。私は幼少期から形式にこだわることが嫌いで、「前例があるからやらないといけない」という考えが苦手でした。中学・高校と私立の女子校で、制服がなく自分で考えて行動するということを基本にしていたので、私の子どもにも自分で考えて決めること、今の気持ちを大事にしてほしいなと願っています。何か子どものことで悩んでしまったら、子どもに直接「なぜその気持ちになったのか?」を本人に問いかけ、言葉の背景と原因を聞くことにしています。夫とも毎日子育てについて話をしています。互いに育ってきた環境が全く違うので、良くも悪くも育った癖が出てきます。話し合いを重ねていくことで、より夫婦の関係を深めることができると感じています。

 また、「人の目を気にしない」というのも大事。子どもはものすごく野生的です。野生をコントロールすることはできないと私自身考えています。もちろん危ない時は危ないと言いますが、子どもの気持ちを大事に、ありのまま居させてあげたいと思っています。どうしても子育て中のママは、周りから見ても良い母親であるべき、しっかりしなくてはという気持ちがどこかにあると思います。私もそうでした。しかし、素直な気持ちと心地よさの感覚こそが、自身を幸せにしていくカギ。人の目を気にしすぎず、自分や子どもの顔が最高に輝く瞬間を大事にしてほしいと思います。