田原市在住 岡田 久恵さん 35歳

夫、長女(8歳)、長男(5歳)の4人家族。新城市(旧鳳来町)出身。名古屋大学法学部在学中に司法書士試験に合格し、25歳で独立。「司法書士恵事務所」代表の傍ら、キッズ作文教室「omoio」を運営している。

やりたいことどうやって見つけるの?

 「先生や大人の言うことを聞いていればいい」。今思えば全く可愛くないのですが(笑)子どもの頃はそんなふうに思っていました。行動基準は怒られないかどうか、褒めてもらえるかどうか。他人の意見を気にして嫌なことも嫌と言えず、みんなと同じがいいと思っていました。そして特別やりたいことや好きなことがなかったので、進路選択には困りました。「つぶしがきく」 と言う言葉を鵜呑みにして法学部へ進学したものの、授業には興味が持てません。就職も同じ。どんな仕事をしたいか? をどうやって考えたらいいかわかりません。当時ロースクールが始まったばかりでしたが、私にはそれ以上お金と時間をかけて学ぶ意味が見いだせませんでした。実家の近くにいたい、結婚出産しても仕事がしたい、そう考えてはいたので司法書士ならそれが叶うかも、と試験勉強を始めました。勉強を免罪符に、自分に向き合うことから逃げていたのですね。

25歳、豊川市で独立 33歳の転機

 土地や建物の権利の状態、会社の状況などを法務局に登録することを「登記」 と言います。司法書士はその手続きのお手伝いをする仕事。個人のお客様ですと新築や生前贈与、土地の相続、遺言などで関わることが多いです。

 豊橋の司法書士事務所に勤務した後、25歳の時に豊川市で独立。その後結婚、長女と長男を出産。職場や取引先の理解、夫や両親のおかげで仕事を続けられましたが、33歳で夫の家業のため田原市 (旧渥美町) に移り住むことになったとき、とても迷いました。事務所をどうするか、家業に専念するべきか? でもどうしても、司法書士は続けていたい。悩んだ末、2017年2月に豊川市から田原市浦町に事務所移転することにしました。

家族との関係で気づいた気持ちを伝える大切さ

 子ども達が小さい頃は自分がイライラすることが多く、家族間のコミュニケーションがうまくいかないことがよくありました。家族を大切に思っているのに伝わらないのはどうして? そんなふうに考えていると、昔から他人の意見に合わせて自分の言いたいことを我慢していたことが原因で、自分の気持ちを伝える力が足りなかったことに気づきました。

 自分がどう思うかよりも、他人にどう思われるかという 「誰かの価値観」 を気にしすぎて、気持ちを伝えることを諦めていたこと。それが、自分がどうしたいか? を見えなくしていたのです。それからは 「私はどうしたい?」 と考え、素直に伝えるように努めていました。

気持ちを伝える授業 キッズ作文との出会い

 子どもの頃から気持ちを伝える習慣を身につければ、コミュニケーションの問題も減るし、進路選択の考え方も変わるのでは? と、2017年12月に 「小学生に気持ちを伝える授業をしたい!」 と思い立ちました。同じことを考える人はいるだろうと検索したらすぐに 「キッズ作文」 がヒット。誰かに褒められるための作文じゃない。自分の気持ちを自分の言葉で伝えるため、ツールとして作文を使います。すぐにキッズ作文トレーナーの認定講座を受講、翌年の春休みにはキッズ作文教室を開講しました。

初めてのイベント主催新しい仕事

 その頃、岩谷圭介さんの 「宇宙を撮りたい、風船で」 という本を読みました。数多くの失敗を乗り越え、周囲の冷ややかな反応を受けながらも夢を諦めなかった岩谷さんは、日本人で初めて風船を使った宇宙撮影に成功。そのストーリーも魅力的ですが、宇宙パラシュート教室で全国の子ども達に向けたメッセージが、私がキッズ作文を通して伝えたいことと同じだと強く感じました。それは 「自分で考えて、やってみる。できた! が自信になる」 ということ。作文教室でも 「何を書いてもいいよ。自分の気持ちに間違いはないよ」 ということを伝え、自分の言葉で表現、 「書けた! できた!」 が自信に繋がります。そして昨年、今年と小学生100人を招待した宇宙パラシュート教室を豊橋で開催。来夏も開催が決まっています。

 またキッズ作文教室の縁で今年3月からは地元スポーツ情報誌 「ジュニアアスリート豊橋」 の田原ページを担当。営業、取材、撮影、記事作成、紙面配布などすべて行います。頑張る子ども達の様子を地域の皆さんに伝えられることに、司法書士とはまた違ったやりがいを感じています。

自分の気持ちに向き合い、伝えることから始めよう

 「やってみたい」 という気持ちに素直に行動していたら、いつの間にかやりたいことだらけ。数年前の自分からは想像もできなかったことです。これは自分の気持ちに向き合い、伝えることを諦めないようにしたからだと思います。初めてのことに挑戦するとき、うまくいかなかったり大変な思いをするのは大人も子どもも同じ。だけど 「できた!」 の積み重ねが次にチャレンジする勇気につながります。そして挑戦しなければ出会うことのなかった方達のおかげで、できることが増えていく。何歳からでも自分の世界は自分で広げられると実感しています。

 キッズ作文も宇宙パラシュート教室も始まったばかり。今後の展開が本当に楽しみです! 子ども達もまた、自分自身でやりたいことを見つけてくれたらと思います。

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