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【2018年 ママゴン8月号掲載】

仕事・子育てしながらも自分の夢を諦めず

税理士試験に合格したママ

蒲郡市在住 岩崎 博子さん 34歳


山口県出身。福岡の大学時代にご主人と出会い、結婚。半年後、ご主人の仕事で愛知県蒲郡市へ。現在、小学校2年生の長男、4歳の次男の4人家族。子育てをしながら税理士資格のため猛勉強をして、2017年12月に試験合格。

 

働くきっかけは、母が他界したこと

 山口県出身で、福岡の大学に進学。大学時代に主人と出会い、就職のため関東に行き経理の仕事をしていました。結婚して半年後、転勤で蒲郡市へ。主人も九州出身なので、2人とも初めての土地にかなり戸惑いました。半年後に長男を妊娠、出産した時は 「自分の相棒ができた!」 と思うくらい、とても嬉しかったです。だからこそ、長男を保育園に預けて働きに行くという感覚が持てず、3歳になるまで、しっかり育てようと決めました。その後、次男も誕生し、5年半ほど専業主婦として育児に専念。

 

 働くきっかけとなったのは、私の実母が他界をしたこと。友達が周りにいないので、子育ての悩みなど、毎日のように電話をしていた母が他界したことで、自分の中で 「支え」 になるものが突然無くなりました。このままだと 「何にも手につかなくなるのでは」 と思い、仕事をしようと決意。自分にとって何ができるのか= 「仕事」 と思い、会計事務所に勤めることにしました。

 

勤務先の所長のひと言で人生が変わった

 現在働いている会計事務所の所長に 「あと1つで資格取得できるんだから、税理士試験を受けた方がいいよ」 と言われました。もともと、大学時代に何年もかけて税理士資格を取るための要件を、4つ取得していました。残り1つを取れば資格が取れることは知ってはいましたが、いつかは取れたらいいなと思っていた程度でした。しかし、家族以外の第三者から 「資格を取った方がいい」 と言われたのが初めてで、とても衝撃的なひと言でした。それがきっかけとなり、資格取得を目指そうと思い、通信講座で勉強することにしました。

 

家族のサポートを力に子育てしながら、猛勉強!

 資格取得を目指すため、朝子ども達の準備をして送り出して、会計事務所に出勤するまでの約40分の車内で、事前にスマホに録音しておいた教科書の文章をひたすら流して、暗記をします。仕事が終わり、帰りの道中も同じように暗記。保育園のお迎えをして、自宅で、子ども達を遊ばせながら少し勉強。夕飯・お風呂、21時に寝かしつけて私も就寝。深夜2時まで睡眠をとり、そこから朝方5時まで勉強し、仮眠して7時に起きる。これを毎日繰り返していました。

 

 勉強を始めた当初は、 「なんでママずっと座っているの?」 と言われたり、次男は教科書に落書をしたり…の毎日。そこで、子どもに理解してもらうために、寝かしつけの時に絵本を読むかのように、 「今日は、ママのお勉強のお話しをするね」 など、物語のようにわかりやすく伝えることにしました。

 主人も私が勉強できるようにと、あらゆるサポートをしてくれました。例えば、料理後の片付けや洗濯物を畳むこと、休日は子どもを連れて遊びに行ってくれるなど。私がお願いしなくても、自然に 「子育て」 をやるようになりました。試験の1週間前に、子どもが熱を出したことがありました。その時、 「なんでこの時期に熱を出すの」 と泣きそうになるくらい落胆してしまい、もう試験は無理だと諦めかけていました。その時に主人が 「試験当日じゃなくてよかったじゃん!」 とポジティブなひと言を言ってくれたおかげで、とても救われました。

 

友達と恩師の存在が支え。子どもを犠牲にしない!

 以前に一度だけ先輩ママさんに 「税理士の資格を取得したい」 と相談した時に、 「子どもを産んで家庭もあって、今から資格を取ってとなると、子どもが犠牲になるんじゃないの?」 と言われて、共感を得られず否定されたことがありました。 「絶対に子どもを犠牲にしたくない!」 と思いながら、悶々と過ごす日々の中で、幼稚園のママ友との出会いで変わりました。とても信頼できる友達だったので、相談したところ、 「目標に向かって頑張って! 応援するから」 と、言ってくれてとても嬉しかったです。実際に、休日になると私が勉強の時間を確保できるように、ママ友が 「子供達は一緒に見るから大丈夫!」 と声をかけてくれて、主人と子ども達だけで遊びやキャンプに誘ってくれたりしました。

 

 また、現在所属しているママさんバレーの女性監督 (御年80歳) にもお世話になりました。弱気になった時は、監督に相談することも多く、 「誰かにやらされていることではなく、自分でやると決めたことでしょ。やるからには、取りにいきなさい」 と喝を入れてくれました。自分に負けそうになった時に、監督に弱音を吐いたり甘えたりできたのも、辛いことを乗り越える心強い支えとなりました。

 いろんな方からのサポートがあり、無事に試験は終了。昨年12月に、合格・不合格を知らせる封筒が届きました。 「合格」 サインを見て、主人に抱きついてそのまま号泣! 支えてくれた友達にも泣いて知らせると、みんな自分のことのように喜んでくれました。

 

夢を諦めない姿は、子どもにも伝わるはず

 ママは、子どものためなら何でもできるのに、自分のことになると、我慢していることも多くなります。しかし、自分のために 「やりたい」 と声を上げてもいいと思います。 「できない」 と思っていても、本気でやろうと決意したらできるし、それを 「やる・やらない」 は、自分次第です。一歩踏み出す勇気やきっかけができたら、自分を大事にできるのではと思っています。

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