top of page
sgmm11.png

【2019年 ママゴン11月号掲載】

世界中の子連れママをタオルダンスで笑顔にする

ダンスインストラクター

豊橋市在住 清綱 春香さん 32歳

大阪生まれ横浜育ち。夫、長女(4歳)の3人家族。ZUMBA(ズンバ)インストラクターとして、ダンス教室やイベントなどを企画。今年4月に、インドネシアの農村でタオルダンスを考案・披露し話題を集める。

バックパッカーとしてアジアを旅した学生時代

 私は文化祭や合唱コンクールなどのイベントを企画するのが大好きな学生でした。大学3年生の時に休学し、インドネシアやフィリピン、カンボジアなど東南アジアを中心とした貧困地域のNGO調査員として派遣され、バックパッカーとして旅するようになりました。その中でも一番印象に残っているのが現地の人たちと触れ合える 「ダンス」 です。タイの農村では、日本の踊りを披露して子どもたちと交流したり、日中韓交流プログラムで中国へ行った際に、ソーラン節を踊ったりしました。国境も、言葉も、年齢も関係のないダンスは、みんなを笑顔にしてくれる! 幸せなパワーを与えてくれる! と体感し、忘れられない貴重な経験となりました。大学卒業後も休暇を利用して、フィリピンの離島でよさこいダンスの交流旅を企画したりと、働きながらも海外へ目を向けていました。

結婚、妊娠、出産知らない土地で子育て

 28歳の時、大学時代に出会った夫と結婚、出産。生まれ育った横浜を離れて、夫の仕事先でもある豊橋へ移住。何もかもわからない場所で、友達も全くいない状態から子育てをスタートしました。車の免許を持っていなかったので、遠くに行くこともできず、日中はほとんど家で子どもと2人の生活。子育ての不安も重なり、鬱状態になりました。このままじゃダメだ、何かやらないと。自問自答する日々が続き、出した答えが 「体を動かすこと」。子どもと一緒に体を動かすために、子連れ太極拳に参加したりと、いろんな子育てサークルに出向きました。その時に出会ったのがズンバです。ズンバは “初心者でも楽しめるダンス” で、ノリのよい音楽に合わせながらエアロビクスのようなエクササイズ系のダンスです。初めてズンバを体験し、一目惚れ。「みんなでズンバを踊れば、初めてダンスをする世界中の人たちも笑顔になれるはず」 そう思い、インストラクターの道を目指そうと思いました。

 それと同時に、たくさん悩みました。ダンス経験のない自分にできるのか? 子どもがいるのに新しいことにチャレンジできるのか? いろんなことを考えていた時に、19歳の頃、インドネシアで出会った同じ年の男の子の言葉を思い出しました。貧しい村だったので、やりたいことを叶えることが難しい環境でした。その子が23歳で亡くなる前 「日本での成功を祈っている」 と話をしてくれたのを思い出したのです。自分の想いを叶えることができる日本だからこそ、自分のやりたいことに目を背けず、挑戦する力を大事にする。その言葉が糧となり、インストラクターの資格を取得。今はズンバサークルを立ち上げたり、親子で楽しめるダンスやイベントなどを企画しています。

国境を越えてタオルダンスが大好評!

 インストラクターになってからも、 「何かみんなと繋がることができないか」 と考えていました。そこで、サークル活動の収益の一部で東南アジアの子ども達を支援をすることに決めました。昨年、長女が3歳になってから家族みんなでカンボジアへ。小さな農村の小学校や幼稚園へ行き、ダンスの授業や運動会を行いながら、募金を直接届けました。今年の4月にインドネシアに行くことが決まり、何か形に残るダンスをしたいと思っていた時に、タオルを使って踊るダンスを見て、タオルを回して踊るだけなので、小さな子どもから大人までできる。生活用品としても使えるし思い出にもなると、ピンときました。すぐにSNSでタオルの寄付を募り、インドネシアで初めてタオルダンスを披露すると、想像以上に大好評で、みんなでタオルを振り回したり、ジャンプしたり。とても楽しそうで、みんな笑顔になっていることに気づき、「ダンスで笑顔の輪をつくっていける」 と確信。学生時代にアジアの旅で味わったことを思い起こしました。

やりたいと思ったらやったもん勝ち

 結婚する前は、子どもができたら自分のできること、やりたいことが制限されると思っていました。しかし、娘が生まれて共に生きていく中で、 「子どもがいるからこそできることがたくさんある」 と感じることができました。当時は、子育てに悩んでいた私ですが、子どもがいるからこそ子育てサークルに行くことができ、ダンスの魅力にはまり、人生の第二章を踏み出すことができました。子どもはママの頑張りや努力を必ず見ています。努力をしているママの姿はとてもかっこいいし、子どもにも頑張る背中を見せることもできます。きっとそう思うのは、私も母の背中を見て育ったから。私の母はとてもアクティブで、7年前から仕事でミャンマーにいます。自分がやりたいと思った時は、どの年齢でもスタートできるんだと母から教えてもらったような気がします。

 自分がやりたいと思うこと、やっていることを、素直に楽しむ気持ちや感覚を大事にすること、第一歩を踏み出す力を持つことはとても大事です。やりたいと思ったら、やったもん勝ちです!

 私には特別な能力はありません。自信をつけるためにダンスを始めたとも言えます。チャレンジしてみたい、という気持ちは、私の新しい未来を作りました。これからもダンスを通じて誰かに勇気や幸せが届けばいいな。そう感じながら、世界中の子どもたちを笑顔にできる活動を行なっていきたいです。

bottom of page