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【2023年 ママゴン5月号掲載】

楽園みたいなビオトープでプレーパークを主宰して
遊びを楽しむ場を作るママ

豊橋市在住 周布 京子さん 42歳

名古屋市出身。ご主人の仕事の都合で、豊橋、アメリカで子育てを経験。 「とよはしプレーパーク」 「ゼロイチとよはし算数教室」 「とよはしロケット教室」 を主宰。現在、夫、11歳の長男、10歳の長女、8歳の次女の5人暮らし。

自然を求めて…、プレーパークを知る

 名古屋で生まれ育ち、結婚と同時に豊橋へ。仕事の都合ですぐにアメリカ転勤になり、ニュージャージー州・カンザス州で長男・長女を出産、子育てをしていました。特にカンザス州は「オズの魔法使い」の舞台にもなっている自然豊かな場所。とても好きな街でしたが、再び日本に転勤へ。次女を出産する時と重なっていたため、子どもの面倒を見てもらうために実家の名古屋へ戻りました。名古屋に戻ってきた時に息苦しさを覚えて、自然と触れ合いたいと強く願うようになり、名古屋にある「てんぱくプレーパーク」というところに初めて行きました。実際に行ってみると、自由に子どもたちが外遊びできる環境で、そこが私も子どもたちもすごく好きな場所になりました。

 今から5年ほど前、再び転勤で豊橋へ移ることになりました。豊橋でプレーパークを探しても全くなく、自然を求めて色んな遊び場を探していました。そこで市内にある「滝ノ谷池ビオトープ」という場所を知りました。ここは、環境教育のフィールドとしてホタルの自生環境を目指しているところ。小川があったり、生き物、鳥、森―。たくさんの自然が広がっていました。初めてその場に行った時に、管理をしている“朝倉川育成フォーラム”と出会い、この場所のことやそこに住む生き物のことなどをたくさん教えてもらいました。その時間が心地良く、その日のうちに「ここでプレーパークをつくりたいです」とお伝えをしたら快諾してくださり、立ち上げることになりました。

自分の責任で自由に遊ぶこと

 プレーパークとは、通常の整備された公園ではなく、遊具がない中で子どもたちが自分で工夫して遊びを行う場所。このプレーパークの最大の魅力は四季折々の風景と大自然。木登り、川遊び、焚き火、どろんこ遊びなど、身体全身で遊びを楽しむことができます。ここは施設とは違い自然の中で遊ぶ場所なので、サービスは何もありません。子どもたちの「自分の責任で自由に遊ぶこと」に重きを置いています。小さな子どもから小学生高学年のお兄ちゃん、お姉ちゃんみんなで思いっきり自然の中で遊んでいます。パパ・ママたちは遠くで子どもたちを見ていたり、おしゃべりを楽しんだり。ここでは、「だめだよ」「汚れるよ」「危ないよ」などの言葉は子どもたちには言わないでと伝えています。特にコロナ禍で子どもを自由に遊ばせる場所がなくなり、お互いストレスになっていたと思います。パパやママたちは、ここに来ると悩みが吹っ飛ぶと口々に言ってくれます。どうしても家だとイライラしてしまう…。きっと、狭い空間で子どもと大人が1対1でいると色々なことが気になってしまうから。自然と触れ合うことで日頃のストレスが解放されるので、みんなが居心地良い場所になっているのではと思っています。

思い通りにいかない子育てを経験

 3人の子どもをもつ母ですが、子育て中、子どもが思い通りにならないことが悩みでした。そして考えた結果「子どもは親の思う通りにはならない。思い通りにならないのであれば、野に放とう」と思いました。子ども自身が伸び伸びしたいと望んでいるのであれば、私(親)があれこれする必要はないなと思ったのです。「子どもたちの発達の邪魔をしない子育て」これが私の子育ての軸になりました。長男は幼いときは砂場が大好きな子でした。朝から晩までずっと砂場にいて「帰ろうか?」といっても「帰りたくない」と。なので、私も長男と一緒に砂場で遊び続けました。子どもの興味が集中するときには、その時間を尊重したいと思ったのです。私が幼い時も親が子どもの世界に介入しませんでした。「ダメだよ」「危ないよ」という言葉もなく伸び伸びできたことが、今につながっているのかもしれません。

すべては「楽しい」でつながっている

 「とよはしプレーパーク」のほかに「ゼロイチとよはし算数教室」「とよはしロケット教室」を主宰しています。「ゼロイチとよはし算数教室」とは、真っ白な紙に絵を描きながら算数を本質的に解いていき、粘り強く仕組みを考えてもらう教室。「とよはしロケット教室」は、子どもたちと一緒にペーパーロケットを製作・打ち上げる体験教室。どの活動も自分で工夫し、考えて作り上げるということを体感できます。

 

 私が行っている3つの共通点は全て「楽しい」がポイント。ママが楽しそうにして、笑顔いっぱいだと子どもも安心します。子育てで楽しくないことは、楽しい視点に変えてみることもいいかなと思います。「自分が楽しいために子どもと一緒に楽しめるのはどんなところだろう?」と考えることも大事。例えば、子どもがゲームをやっていて、そこにママが入っていてもいいと思います。“一緒に楽しめる”ことが楽しいにもつながります。楽しいをベースに子育てを通じて「どう人生を楽しむことができるか」を考えるようにしていきたいです。

 

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